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灘区在住日記

街をぶらぶらしながら神戸(特に灘区)の歴史を勉強中。

幻の巨大総合商社「鈴木商店」と「お家さん」(玉岡かおる)

大正から昭和にかけて神戸に存在した「鈴木商店」。一時は三井、三菱を抜いて日本一の総合商社でしたが昭和2年に破綻。その巨大総合商社のトップに君臨したのが「お家さん」と呼ばれた女性、鈴木よねさん。

 

 

その鈴木よねさんについて書かれた小説が、その名もずばり「お家さん」。 

 

 

2014年には、読売テレビ開局55年記念ドラマとして制作、放映されました。私はDVDで観ました。

 

 

鈴木商店は昭和2年に破綻しましたが、鈴木商店を源流として現在も日本をリードする一流企業が活躍しています。

 

 

今は幻となった巨大総合商社が神戸に存在していたこと、そのトップに一人の女性が君臨していたことに興奮しながら小説「お家さん」を読み、その足跡をたどってみました。とは言っても、今回は鈴木商店本社があった場所を訪ねただけですけど…。

 

 

(マップ内の説明は鈴木商店記念館HPよ抜粋)

 

 

 

まずは、三宮駅から鈴木商社の事業終焉の地となった(神戸市立博物館の南隣り)旧居留地10番(A)を目指しました。三宮駅からフラワーロードを南に下り、神戸市役所辺りで西に曲がる…ところまでは良かったけど、そこから迷子に。10年以上神戸に住んでいるのに情けない…。

 

 

やっと見つけた神戸市立博物館は旧横浜正金銀行(現 三菱東京UFJ銀行)神戸支店ビルがあった場所。さすが銀行だっただけあって美しいながらも頑丈な造りです。

 

 

その道を挟んだ南側が旧居留地10番だったはず。残念ながら昔の面影を残すものは何もありません。立派な洋館が建っていたのかな…と想像していましたが、小説を読み返すと、そこには「倉庫を改造した3階建てのレンガ造り…」と。神戸市立博物館の建物を見た後だけに、ちょっと残念。

 

 

それから、2号線沿いを西へ。いくつか残る歴史的建造物を眺めながら、神戸郵船ビルを北に曲がり、栄町1丁目の交差点を西へ。

 

 

栄町3丁目、4丁目(B、C)は雑居ビルやマンションが立ち並ぶ一般的な道路。しかし、しかし、明治6年に完成したこの栄町通は、神戸のビジネス街だったとか(戦後、三宮周辺に移る)。当時の写真で、車に市電、人力車が走る活気ある当時の街並みをみることができます。一般的な道路じゃなくて、由緒ある道路でしたね…。

 

 

この通りを歩きながら、お家さんにとって、この辺りに住んでいたころが大変だったけど一番楽しかった時期ではなかったかと思いました。家族、従業員の世話をしながら商売を支える。それが出来たのが、この栄町通に住んでいた頃だったのではないでしょうか。会社が大きくなるのはうれしいけど、寂しさもあっただろと。まっ、私の想像ですが。

 

 

そして、神戸中央郵便局の西側、ファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店)の南側にあったのが旧みかどホテル(D)。米騒動で焼き討ちにあった場所です。小説でも映画でも印象的なこの場面。実際の場所に立つと、お家さんがいた栄町の家からは目と鼻の先。

 

 

この時、鈴木よねさんは屋根づたいに逃げますが、屋根の上から店が焼ける様子、殺気立った民衆を見た時は相当恐ろしかったでしょう。でも、その様子を見て「負けへんで…」と心に誓うこの女性は本当に強い人だと思います。

 

 

そして、最後。鈴木岩治郎さんが「カネ辰鈴木商店」を創業した弁天浜(E)(現在の神戸市中央区弁天町)。旧みかどホテルがあった場所から南に歩くと歩道橋があり、その辺りが弁天町です。歩道橋を歩いていくと海が見えてきます。ここから鈴木商店が始まったのか…と思いながら海を眺めてみました。

 

 

三宮から元町まで、地図上では遠いなと思っていましたが、徒歩でたった40分でした。途中、道に迷ったり、お店をのぞいたりしたので、ただ歩くだけなら30分のコースかもしれません。

 

 

いつもは何気なく歩いている道。こうやって調べてみると、たくさんの歴史的建造物があり、神戸の街って面白いなと思いました。鈴木商店のことも、もう少し詳しく調べてみたいです。

 

 

参考図書:むかしの神戸